勝手にそんな文脈を読み込むな!<行政書士ってナニ? 言語分析篇>「意味」と「意図」1(文脈)
これまでは20歳という一律の基準だったのに。
一律的判断のわかりやすさが著しく損なわれてしまった…
まぁ決まってしまったことなので守っていくしかないんだが。
ちなみに、「未成年者飲酒禁止法」という法律があるんだが、知ってるか?
そんな法律があったんですね。
変える必要はないような気がするんですけど?
その法律の「未成年」は改正後も20歳未満ということなんでしょうから。
”20歳未満の人の飲酒を禁じます法”?
正式には、
「二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止二関スル法律」
となる。
なにせ、大正11年制定の法律だからな。
憲法制定よりもだいぶ前ですけど?
憲法に反する内容でなければ、旧憲法時代に制定された法律であっても有効だからな。
でもカタカナは変えたらいいのに。
読みにくいし。
読めます。
凄いな!
俺にはできん。
先生は日本語わからないんですか?
そうじゃなく、俺はさっき、「カタカナ以外は読める的な発言だな」と言ったんだ。
それがなにか?
7,000近くの言語があるんだぞ?
だから、「バカにしないでください!読めます。」という発言は、カタカナ以外のそれらの言語も読めるっていう答えになっているぞ。
何言ってるんですか?
文脈からして「カタカナ以外」と言ったらカタカナ以外の日本語のことでしょうが!
論理的に日本語に絞った表現を俺はしてないぞ!
言葉を扱う翻訳者としてなにを言ってるんですか?
文脈が自分の思い込みだったらどうなる?
言語学では、「意味」と「意図」は別物として扱われている。
簡単に言えば、
「意味」とは、文が表す文字通り、辞書通りの内容
「意図」とは、その文で相手に伝えたい内容
同じになる場合ももちろんあるがな。
たとえば、
A:「明日、海でビーチパーティするんだけど、来る?」
B:「明日は美容室を予約しているんだよね。」
と答えた場合、BはAのお誘いに応じているのか?
Bは来る、来ないに答えていないよ?
言葉の「意味」としては、明日の予定を伝えているだけ!
ということは、Bの発言の「意図」はAのお誘いを断るということにあるわけだ。
Aはその意図を察知したなら、次のようにいうだろうな。
A:わかったー。今度予定が合う時にビーチパーティしようねぇ。
A:何時から?ビーチパーティは夕方の5時からだから重ならないはずよ〜。
だからこそ、言葉が発言された状況などの文脈が大切なんですよ。
文脈を無視した発言はダメです。
だが、法律においては言語外文脈をはじめから重視するわけにはいかない。
言葉の「意味」と「意図」とを厳密に対応させる表現をしないといけない。
そうしないと法律を読んだ国民に立法者の正しい意図が伝わらないからな。
そういうことなんですね。先生が言いたかったのは。
ん?
でも、法律には解釈があるじゃないですか。
解釈の際、法律の文言だけじゃなく、法律には明言されていない法の趣旨とかに基づいてある結論を導くでしょ?
そうであれば、法律だって、言語外の文脈を重視してますよね?
先生が言っていることが全て正しいというわけではないでしょ?( ̄^ ̄) ドヤッ!
---次話へ続く---
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沖縄在住の特定行政書士、真栄里です。
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