行政書士ってバカにされているんですか?<行政書士ってナニ? 行政不服申立て代理権編 4>【真栄里孝也 行政書士事務所】in沖縄
- RIE
- えっ!
自分で不服申立てをしないということは弁護士に頼むしかなかったわけですよね?
で、その弁護士が訴訟で忙しくて依頼を受けてくれないとすると・・・
泣き寝入りですか? - 真栄里
- これまではそういうことになっていたかもな。
- RIE
- それは問題でしたね。
じゃ、行政書士が“審査請求”など行政庁に対する不服申立手続について代理することができるという法改正は凄いことですね!
国民の権利・利益を守ることにつながるわけですから。 - 真栄里
- そうだな。
でも、この法改正があるまで色々な批判があった。
特に弁護士会からの批判にはもっともなものがあった。 - RIE
- そうなんですか~?
どういった内容なんですか? - 真栄里
- 簡単に言うと、“行政不服申立ての代理業務をするだけの能力が行政書士には担保されていない”ということだな。
- RIE
- え~と、つまりは、行政書士は行政不服申立ての代理業務をするだけの知識やノウハウを持っていないということですか?
- 真栄里
- 弁護士会の批判の趣旨はそういうこと!
- RIE
- 行政書士ってバカにされているんですか?
- 真栄里
- バカにされているかどうかは知らないけど、弁護士会の不安もよく分かる。
行政書士法1条に、行政書士制度の目的について規定がある。この法律は、行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、行政に関する手続の円滑な実施に寄与し、あわせて、国民の利便に資することを目的とする。
もし、行政不服申立ての代理業務を請け負う行政書士がその申立手続のことをよく知らなかった場合、逆に、行政不服申立ての現場は混乱するだろう。
そうなると、国民の利便性確保どころではなくなる。
国民に不利益しか残さないことになるな。
弁護士会は、本来弁護士が関与すべき行政不服申立手続の現場に、能力的な担保がない(と彼らは主張している)行政書士が入ってくることで、行政不服申立手続が混乱し、その混乱が行政不服申立手続のみならず、行政訴訟にも悪影響を及ぼすのではないか、ということを心配しているんだ。 - RIE
- でも、行政書士試験範囲には行政不服審査法も含まれていますよ。
RIEだって一応勉強していますし。 - 真栄里
- そうなんだが、行政書士試験では、司法試験のように法解釈について勉強をするわけではないから、弁護士会からすると行政書士の能力的担保は不十分だ、と言っているんだ。
- RIE
- でも、きっと弁護士の中にも行政不服申立手続をよく知らない弁護士がいると思いますよ。
行政書士の方が行政に関する手続についてはプロなんじゃないですか? - 真栄里
- 個々の弁護士・行政書士を見ていけばRIEが言ったこともあるだろうけど、“能力的担保”の有無の問題では、個別事情に着目するのではなく、制度という観点から一般的に判断するから、行政書士会が制度として行政不服申立て手続について能力的担保を確保していることが必要なんだ。
- RIE
- あぁ、何か頭が・・・
難しいことになりましたね。 - 真栄里
- でも、弁護士会が言っている“能力的担保”に関してはもっともな点があるから、改正行政書士法では、弁護士会の批判を取り入れて、“特定行政書士”という制度を新設したんだ。
つまり、“能力的担保”として“特定行政書士”制度を新設したというわけだ。 - RIE
- なんですか、その“特定行政書士”というのは?
- 真栄里
- それはだな・・・
ん?やがて3時になるな。
あっ、そうだ!忘れていた。
直ぐにそこの銀行に行ってこの振込をしてきてくれ。 - RIE
- もうなんなんですか?
せっかくいいところだったのに・・・
振込ですね。仕事だったらしょうがないですけど・・・
ん?この振込先って・・・
---次話へ続く---
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