ちゃんと報酬を支払ってくれる会社かどうかですよ!<行政書士ってナニ?議事録編>4
- RIE
- じゃあ、株主総会議事録には、定足数を充たしたことを書かないといけないわけですね。
真栄里先生があげた例だと、100株のうち60株を保有する株主Aだけしか出席していなくても、この会社の株主総会の定足数は充たすということです。
具体的にはどう書きます? - 真栄里
- まず、その会社の発行済み株式総数を書かないといけない。
その上で、株式総数の過半数を有する株主が出席したことを議事録に書くんだ。 - RIE
- “発行済み株式総数”?
- 真栄里
- そっ。
分母の話。 - RIE
- あぁ~、100分の60の100のことですね。
- 真栄里
- うん。
その会社は発行している株式数が100株しかないから、“発行済み株式総数”は100株ということになる。
その過半数は51株だから、51株以上の株式を有する株主が出席していればその会社の株主総会は適法に成立する。
結果、Aだけの出席でも適法になるわけだ。
逆にBCDEが出席しただけでは不適法となる。 - RIE
- わかりました。
あとは、何について議決したのか、という会議のテーマを書くんですよね? - 真栄里
- そう。
ただ、株主総会の決議事項であるかどうかを会社法やその会社の定款に照らして判断する必要があるよ。 - RIE
- 何でも決議できるんじゃないんですか?
だって株主総会って会社の一番エライ機関ですよね? - 真栄里
- そうだけど、株主総会は必ずしも万能機関ではないんだ。
- RIE
- え~?
お金を出している出資者ですよね?株主って。
お金を出している以上、株主が会社のことを全部決めるべきじゃないんですか? - 真栄里
- 出資者とはいえ、株主に経営の知識と能力があるとは限らないだろ?
たとえば、RIEが俺が作ったお菓子会社に出資をしている株主だとしよう。
RIEはお菓子会社の経営の仕方をよく知らないだろ?
だのに、株主だからといって、RIEが会社経営の全てに口を出したらそのお菓子会社は潰れるはずよ。 - RIE
- RIEは誰よりもお菓子を愛していますからそんなことはありません(≧ヘ≦)
- 真栄里
- お菓子を愛しているからといって、お菓子会社の経営能力があるとは限らない!
お菓子を愛しすぎているがために、冷静な判断ができずに会社が傾くことはよくあることだ。 - RIE
- ・・・
まぁ、それはそうですけど・・・。 - 真栄里
- 株式会社では、たくさん儲けを出せるように、株主と経営者を分離するという仕組みを採っているんだ。
これを、会社法では、
「所有と経営の分離」(会社法331条2項本文)
というんだよ。
そのため、株主総会は、会社法に定める事項と定款で定めた事項に限って決議をすることが出来るんだ(会社法295条2項)。 - RIE
- え~?
それじゃ、株主って会社にあまり口出しできないってことじゃないですか!! - 真栄里
- あっ、でもそれは、株式会社が
“取締役会”を設置している場合の話な。
取締役会を設置していない株式会社の場合は、株主総会はほぼ全ての事項について決議することができる(会社法295条1項)。
だから、行政書士としては、ある会社から株主総会議事録の作成を依頼された場合、まず何を確認すべきかな? - RIE
- それは、ちゃんと報酬を支払ってくれる会社かどうかですよ!
- 真栄里
- こら!
今までの話の流れから何故そうなる?
違うだろ!
取締役会設置会社かどうかだろ? - RIE
- まぁ、それはそうですね。
しかし、面白くありません。
ちゃんとノリつっこみをしてくださいよヾ(。`Д´。)ノ - 真栄里
- ナニ逆ギレしてんの?
- RIE
- 先生にお笑いのセンスはありませんね( ̄。 ̄;)フゥ
- 真栄里
- ・・・
なんだそりゃ。
---次話へ続く---