【”会社”の場合は、法人税と所得税合わせて287万5,000円だったのと比べると段違いです!】<行政書士ってナニ? LLP編>5

RIE
二重課税を避ける事ができる”LLP”の場合、税金はどうなるんですか?

真栄里
さっきの例を”LLP”に変えてそのまま使おう。
利益が1,000万円で、構成員(組合員)が10人という”LLP”を考えてみる。
1,000万円を10人の組合員に分配するから1人100万円もらえる。
100万円の所得について所得税は5%だから、組合員各自が支払う所得税は、5万円、ということになる。
RIE
ということは、全組合員が支払う所得税は、合計50万円(5万円×10)で済むんですね。
安!
”会社”の場合は、法人税と所得税合わせて287万5,000円だったのと比べると段違いです!
なんですか、この違いは。
真栄里
まぁ、”組合”は構成員から独立した主体(法人)ではないのだから、理屈からして二重課税はできないんで、その点は”組合”の魅力だよな。
RIE
いいことずくめじゃないですか!
でも、なんか、話がおいしすぎませんか?
いいとこどりって怪しいですよ?
真栄里
そりゃそうだ。
”LLP”は組合契約とはいえ、設立手続きが必要になる。
RIE
”組合”の場合は設立手続きは要らないですよね?
真栄里
うん。単なる契約だからね。
でも、”LLP”の場合は、会社設立のような設立手続きが必要になるんだよ。
RIE
やっぱりめんどくさいことがあるんですねぇ・・・
真栄里
でも、設立手続きは”会社”ほどの煩雑さはないし、登録免許税だって6万円と安いんだよ。
RIE
それだったらいいのかもしれませんね。
真栄里
あっ、でも、財務諸表の作成と備え置きが義務付けられるんだ(有限責任事業組合契約に関する法31条)。
RIE
財務諸表ってなんですか?
真栄里
貸借対照表とか、損益計算書とかのこと。
RIE
一度、会社法の授業で見たことあります。
やっかいなやつですよね?
真栄里
そうだな。
RIE
結局”LLP”もややこしいわけですねぇ。
しかし、”組合”にもかかわらず、なんで財務諸表の作成とかが要求されてるんですか?
”組合”契約には不要ですよね?
真栄里
”組合”契約には財務諸表の作成は要求されていない。
”LLP”に財務諸表の作成等が義務付けられているのは、”LLP”が”有限責任制度”であることに起因しているんだよ。
RIE
”有限責任制度”ですか、キーワードですね。
この単語は、今までもよく出てきました。
真栄里
そっ!
この”有限責任制度”は”LLP”の肝だから、常に忘れてはいけない!

---次話へ続く---

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