権力の壁<行政書士ってナニ? 2017/JTF翻訳祭編>7
- 真栄里
- 証明書を入管に提出してしまった場合は、新しい証明書を再提出することはできない。
提出された証明書の修正になるんだ。 - RIE
- そうなんですね。
でも、すぐに直せばいいんでしょ? - 真栄里
- それがやっかいらしいんだ。
- RIE
- 役所がらみだから?
- 真栄里
- 役所が悪いわけじゃないんだがな。
証明書を発行した機関は、証明書の誤記等のミスが何故起こったかの説明を求める文書をさらに入管に提出することが求められる。 - RIE
- ミスは誰にでも生じるものなのに…。
- 真栄里
- そうなんだが、こと入管となると、偽造文書がないよう入管も細心の注意を払わないといけないからしょうがないことだろう。
- RIE
- じゃ、その説明文を提出すればOKですね?
- 真栄里
- その説明文自体に誤記等がなければだがな。
- RIE
- はい?
もしかして、その説明文も英語で書く必要がある? - 真栄里
- そう。
英語圏外の政府機関等が作成する文書だから、その説明文自体にもミスがある可能性があるんだ。
そしたら、その説明文で誤記等があった理由を記載した文書を英語で作成して提出しないといけない…。
その文書にまた誤記等があると、その誤記等があった理由を記載した文書を英語で作成して提出しないといけない…。 - RIE
- はぁ?
いったいどこまで続くんですか? - 真栄里
- ミスがなくなるまで。
- RIE
- お、おそろしい…。
- 真栄里
- それだけ入管も気を使っているということなんだ。
- RIE
- 入管も、日本に来る外国人も大変なんですね。
あっ、そういえば、先生もカリフォルニアに行ったとき大変だったそうじゃないですか! - 真栄里
- え?
そ、そんなことはない…。
いたってスムースに入国した… - RIE
- い~え、RIEはある筋から聞きました。
やがて入国拒否される恐れがあったという話を。
さぁ、ここで話してください! - 真栄里
- そ、そんな事実はないから話せないし…
- RIE
- じゃ、いいでしょう、RIEが教えてあげましょう。
先生は、飛行機の中で、記入しなければいけなかった書類に行先情報を記入していなかった。
で、入国審査官にそのことを突っ込まれて入国手続きの最後まで残され、入国審査官に尋問をされたと。
他の乗客は皆カリフォルニアに入国しているのに、先生だけ残され、2、3人の入国審査官に入れ代わり立ち代わり似たような質問をされたと。「どこにいくのか?」「なんでカリフォルニアに来たのか?」「なんで用紙に行先情報を記入していないのか?」などなど。 - 真栄里
- な、なんでそれを( ̄□ ̄;)
- RIE
- 先生のことなら、なんでもお見通しです。
さぁ、RIEに正直に話して楽になりましょう。
自白をしてください。 - 真栄里
- 情報源が誰かは分かってるんだ。
なんでそんな話まで聞いているんだよ。
信じられない。 - RIE
- RIEの情報網は警察並みです。
観念してください。 - 真栄里
- RIEが言う通りさ。
やがて強制送還されるところだったよ!
行先を書かなかっただけで。
めっちゃ怖かった。
なんせ、彼らの英語は早い、速すぎるんだ。ゆっくり話してくれと言っても、彼らも興奮していてこっちの話を全然聞かずスピード変わらんし。
それからは、2、3人が交互に俺に同じような質問をするんだよ、で、こっちも同じ返答をする、そしたら奥の部屋に行って4人くらいのスタッフで何やら相談をして、今度は別の人が俺のところに来て同じ質問をして、俺も同じ返答をして、でまた奥の部屋へ行ってスタッフで相談をして、というようなサイクルを4回くらい繰り返したかな。
しかも、最悪なことに、俺の携帯はSIMが日本の通信用で、カリフォルニアに入国した後に、ベライゾンあたりのSIMを契約しようと思っていたから全然使えない状態だったんだ。
ゲートをくぐればそこはもうカリフォルニアなのに、そのゲートをくぐることができない。
物理的な壁はないが、カリフォルニアの権力の壁をまざまざと見せつけられたなぁ。
しかも、彼らは銃を携帯しているから怖い怖い。
約1時間くらいそこにくぎ付け! - RIE
- あははははぁー\(o⌒∇⌒o)/
自業自得です。
必要事項を記載するのは基本のキですよ! - 真栄里
- RIE、ひどい奴だな。
この東京に1人で置いてくぞ! - RIE
- 1人でも沖縄に帰れますから大丈夫です(笑)
- 真栄里
- まぁ、RIEならどこでも生きていけるだろうからな(笑)
- RIE
- はい、逞しいのです。
そうじゃないと先生と一緒に居られません。 - 真栄里
- この話はこれで終!
俺ももう思い出したくないし。
さ、交流パーティー会場へ移動しよう。
---次話へ続く---
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