“行政不服申立て”って、訴訟よりも簡易な手続だと聞きますよ!<行政書士ってナニ? 行政不服申立て代理権編 3>【真栄里孝也 行政書士事務所】in沖縄
- RIE
- 弁護士がいるのに、なぜ、行政書士に行政不服申立ての代理権が与えられたんですか?
- 真栄里
- 行政不服申立てを本人がするのは面倒だし、弁護士も訴訟で忙しくて手が回っていなかったんだろうな。
- RIE
- 弁護士が訴訟で忙しい、というのは分かりますけど、“行政不服申立て”って、訴訟よりも簡易な手続だと聞きますから本人がすればいいんじゃないですか?
- 真栄里
- “行政不服申立て”が訴訟よりは簡易な手続であることはたしかだけど、それはあくまでも訴訟と比較してだから。
簡易とはいえ結構大変だよ。
って、RIEも行政不服審査法勉強しているからどういう手続なのか知っているだろ? - RIE
- え~、も、もちろんですよ。
“聴聞”とか
“弁明の機会の付与”とか
ですよね? - 真栄里
- おいおい・・・
それは“行政手続法”上の制度だろう。
基本的な部分で間違ってるよ!
行政不服申立てにはどういったものがある? - RIE
- え~と、“審査請求”と、“再審査請求”と、
あとは、え~と・・・ - 真栄里
- ・・・
“異議申立て”
だね。 - RIE
- あっ、それです、それです。
ど忘れしていました。 - 真栄里
- じゃあ、“異議申立て”はどこに申立をするのかな?
- RIE
- それは行政機関ですよ。
- 真栄里
- そりゃそうだ。
そもそも“行政不服申立て”自体、裁判所ではなく行政機関を相手とする制度だからな。
ここで、俺が言っているのは、行政機関の中のどこを相手にするのか?ということだ。 - RIE
- あ~~、そういえばテキストに載っていました。
え~と・・・
・・・忘れました。 - 真栄里
- そこ重要なんだけど(怒)!
処分庁等(処分庁と不作為庁を含むが)自体に不服を申し立てるのが“異議申立て”
処分庁等以外の上級行政庁に不服を申し立てるのが“審査請求”
これは基本的な部分だから。
行政不服審査法では、““審査請求”を行うのが原則なんだ。
これを“審査請求中心主義”という。
だから、行政の処分に不満がある人は処分庁の上級行政庁に不服を申し立てることが原則になる。
その際、審査請求書を提出する必要がある(行政不服審査法19条1項)。
この請求書には、次の6つの事項を記載しないといけないんだ(行政不服審査法19条2項)。- 審査請求人の氏名又は名称及び住所又は居所
- 審査請求に係る処分の内容
- 審査請求に係る処分・・・があったことを知った年月日
- 審査請求の趣旨及び理由
- 処分庁の教示の有無及びその内容
- 審査請求の年月日
- RIE
- それくらいだったら何とかなるんじゃないですかね?
- 真栄里
- まぁ、そうかもな。
では、審理手続がどうなっているかみてみよう。
処分庁等が弁明書を提出した場合、審査請求人は反論書を提出する(行政不服審査法29条、30条)。
弁明書を理解した上で、それへの法的反論を審査請求人はしなければならないんだ。 - RIE
- 書面でのやりとりなら時間をかけて対応することができるかもしれません。
- 真栄里
- ところがだ、“審査請求”では期日と場所を定めて、全ての審理関係人が集まって口頭で意見を述べるという“口頭意見陳述”という制度があるんだ(行政不服審査法31条)。
しかも、
- 証拠書類等の提出(行政不服審査法32条)、
- 物件の提出(行政不服審査法33条)
- 鑑定(行政不服審査法34条)
- 検証(行政不服審査法35条)
など、訴訟に近い審理手続が定められている。
- RIE
- そ、そんなに・・・
それは本人では大変ですね。
RIEなら間違いなく自分ではしません。 - 真栄里
- “自分ではできない”の間違いでは?
- RIE
- い・い・え!
他にやることがあって忙しいんです、RIEは! - 真栄里
- はいはい、そういうことにしておくよ(どうせ、テレビかネットかだろうけど・・・)。
---次話へ続く---
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