世界が本当はどうあるか<行政書士ってナニ? 基本編>waters

真栄里
RIE、この提出書類の日付間違ってるぞ!
今年は令和3年だろうが。令和2年になってる!
RIE
あれ、そうでした?
直しといてくださ〜い。
真栄里
ふざけるな(怒)

RIE
ナニ怒ってるんですか?
八つ当たりです?
何か面白くないことでもありました?
真栄里
ない!
というか、RIEの間違いに気がつくまではご機嫌だった。
RIE
日付くらいでそんなに怒ります?
真栄里
なに言ってんの?
期限内に提出しないといけない書類の日付を1年前にしてたら期限後の申請ということになって受付されないだろうが!
真面目にしろ!
RIE
誰だってミスしますし。神じゃないんですから。
真栄里
ミスしたことを怒っているんじゃない。
重要なミスにもかかわらずRIEの認識が甘いからだ。
日付をちゃんと確認するのは基本中の基本だ!
どんなに酔っ払っていても確認しろ。
何回も確認しろ!
基本を疎かにする奴に行政書士を名乗る資格はない!
RIE
そこまで怒らなくても…
真栄里
基本を大切にする気持ちを持て。


[water]という単語がある。
RIE
何の話ですか?
真栄里
黙ってまず聞け。


[water]は、数えられない不可算名詞と通常は習うはずだ。
不可算名詞だから[waters]は間違いだと思っている人もいるだろう。
RIE
そうですね。
実際、水って水自体には形がないですからね。
真栄里
だが、[water]には可算名詞の用法がある。
つまり、[waters]が正しい場合がある。
RIE
形がない[water]を数えるんですか?
原子レベルで?
クォークレベル?
真栄里
水という対象自体に形を求めても[waters]の意味は永遠にわからん。
言語というのは、人間の認識枠組み、人間の世界の見方そのものだからだ。
RIE
よくわかりません。
真栄里
対象物が世界にどうあるのか?という客観的状況と違って、言語は、対象物をどう見るのか?という人間の認識そのものだから、世界が本当はどうあるのか—カントが言う“物自体”—とは別の、人間の脳内世界の話だ。
人間の脳内世界を通じて、人間は世界を見ているんだ。その脳内世界から見て、水に個性を認める場合に、水は可算名詞の[waters]として現れる。
RIE
じゃあ、人間は世界が本当はどうあるかを知らないと言うことですか?
真栄里
そういうことになる。
世界がどうあるか?よりも、世界をどう見ているのか?という観点から言語を考えないと[waters]は間違いという誤解を抱いたまんまになる。
RIE
ヘェ〜。
水が数えられる場合ってどういう場合ですか?
真栄里
たとえば、

Japanese waters(日本海域)
British waters(イギリス海域)

なんかがそうだ。

RIE
海は世界中つながっているんですからいくらなんでも数えられないでしょう?
真栄里
だから、海がどうあるのかという客観的状況に囚われるなって!
人間が海をどう見ているか?が問題なんだよ。
たしかに、宇宙から地球を見た場合、海は全て繋がっている。物理的な区別は一切ない。
だが、人間の決まり事として陸地には国境があり、海には領海というものがある。実際の海を見てもここからここまでは日本固有の海で、そこからそこまではイギリス固有の海だ、ということはわからないが、領海というはっきりとした境界が海にもあるんだ。
日本固有の領海、イギリス固有の領海というように、人間の認識においては、他の領海とはっきりと記別され、個性を有している。
だから[waters]という可算名詞が成り立つ。
もっとも、文法的には、この”s”は水域を示す強意複数で…
RIE
あ、文法の専門的な話は不要です!理解しません。


でもそうだとすると、数えられる名詞(可算名詞)とか数えられない名詞(不可算名詞)とかの定義の「数えられる」、「数えられない」っておかしくないですか?
その表現だと数えられるか、数えられないかは物理的な性質に基づくことになるんじゃないですか?
対象物が世界において他と物理的に区別されていれば「数えられる」、そういう物理的区別がなければ「数えられない」というのが、「数えられる」、「数えられない」の意味でしょ?
真栄里
鋭いな。
だから、少し専門的な文法書だと、可算名詞の定義を

「数えられるものとしての扱いを受けるものを表す名詞を可算名詞」(安井稔「英文法総覧 改訂版」(開拓社、1996年)62頁)

と書いている。

数えられるものとしての扱いを受けるものを表す名詞

扱いを受ける」という部分がポイントだ。
人間の認識、つまり人間が世界をどう見るのかで、名詞の可算か不可算が決まるということを「扱いを受ける」で表現しているわけだ。

RIE
英文法ってそんな議論もしているんですか。ただでさえ文法は面白くないのにもっと面白くなくなります。
真栄里
何言ってる!
英語で言うと可算名詞か不可算名詞は基本中の基本だ。中学1年で習う。基本をしっかりと学ばないと。
で、どうせ学ぶのなら楽しく学ばないと。
RIE
それは先生がされてください。
RIEには英語は不要です。
ボディランゲージで十分です。
英語の基本は”出川イングリッシュ”です。
真栄里
会話はそうだな。
RIE
RIEは先生とは違って、実戦で学んで成長していくタイプです。
事前の法則なんて不要です。
真栄里
阿呆か。
実戦で死んだら意味ないだろうが。
RIE
本当の戦争の話じゃないですから死にません!比喩です。
真栄里
それくらいわかってる!
実戦に先立つ基本の重要性を言っているんだ!
RIE
RIEが前線で戦う、先生は後ろで指揮をとる、それでいいんじゃないでしょうか?
役割分担です。
先生はお金を出す、RIEはそのお金を使う。これも役割分担です。
先生がケーキを買ってくる、RIEがそれを全部食べる。これも役割分担です!
以上!!

---終---

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
日頃からのご支援、誠にありがとうございます。
沖縄在住の特定行政書士、真栄里です。
特定行政書士や行政書士の仕事について少しでも多くの方に理解していただきたく、下記のブログに参加しております。
応援クリックをよろしくお願いいたします。
にほんブログ村 士業ブログ 行政書士へ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。