日本人は空気を読む人種だから・・・<行政書士ってナニ? 英文契約編 3>
- RIE
- しかし、そもそも契約書を作る必要ってあるんですか?
たしか、民法では当事者間の合意があれば契約が成立するから、契約書という書面はなくても契約は有効に成立しているという話を聞いた気がしますよ。 - 真栄里
- ほー、一応大学の講義は聴いていたわけだ。
- RIE
- RIEは真面目ですから!
- 真栄里
- ふ~ん(疑いの目)。
たしかに、RIEの言うとおりだ!
民法上、契約書という書面がなくても契約は有効に成立する。
ただ、実際は企業が取引をする際は契約書という書面を作成するんだ。
その書面があると、契約内容が書面として残るわけだから裁判になった際の有力な証拠になるんだ。 - RIE
- そうですね。
離婚協議や婚前契約の話の時にも少し出ましたね。 - 真栄里
- そうだ。それと考え方は同じなんだ。
- RIE
- でも個人間では契約書を作成する人は少ないんじゃないですか?
- 真栄里
- 日本ではまだ少ないなぁ。
日本人は空気を読む人種だから権利を主張することを好まないんだろうな。
というか、大抵の日本人は個人間で権利を主張することに苦痛を感じるのかもしれん。 - RIE
- だったら、英語での契約書を作成するのは二重苦じゃないですか?
わざわざそのような二重苦を乗り越える必要ってあるんですかね? - 真栄里
- ふむ。
それを理解するためには、アメリカなどの英米法圏の契約意識を知る必要があるな!
英米法では、『口頭証拠排除原則』(parol evidence rule)という考えがある。 - RIE
- はい?
日本語なんですか?英語なんですか?
難しすぎますよ!
もっとやさしく言わないとRIE即帰しますよ。 - 真栄里
- “即帰”って何だ?
- RIE
- すぐに帰るということですよ!
- 真栄里
- そんな言葉はないはずだ!勝手に言葉を創るな。
- RIE
- 言葉って日々創られていくものなんですよ!
- 真栄里
- ・・・
それはさておき、『口頭証拠排除原則』っていうのは、分かりやすく言うと、争いになった場合は口約束は役に立たない、ということだ。
契約書といった書面に書かれていないことは当事者間ではなかったとされてしまう。 - RIE
- あらら・・・
厳しいんですね。 - 真栄里
- だからこそ英米法圏では、契約書といった書面がとても重要になるんだ。
そういったことだから、個人間でも契約書を作成するという意識を英米法圏の人は強く持っているんだ。
彼らと契約をしようとする日本人(企業)も彼らに合わせる必要がある。
そうでないと、契約を締結してくれないからな。
これが二重苦を乗り越えなければならない1番の理由といえるだろう。 - RIE
- 日本人にメリットはあるんですかね?
- 真栄里
- それはあるさ。
紛争になった場合に、契約書といった書面は日本人(企業)に有利に働くこともあるからな。 - RIE
- へぇ~。
じゃ、契約するに当たってはどういう点に気をつけたら良いんですか?
結局、日本人(企業)に有利になるかどうかは、契約書の内容次第ですよね? - 真栄里
- そうだな。
だから契約書の作成は契約当事者がもっとも気を抜くことが出来ない部分になるな。
---次話へ続く---