友達の友達は友達なんだ?<行政書士ってナニ? 会社設立編 7>
- 真栄里
- 株式譲渡制限をつける意味は大いにあるんだ。
たとえば、今持っている株式を他人Aに譲渡したとしよう。
もし、譲渡に制限がないとその他人Aは、さらに別の人Bに株式を譲渡することができる。
そのBもCに譲渡することが出来る。 - RIE
- 別にそれで良いんじゃないですか?
- 真栄里
- じゃあ、聞くがRIEが一緒に会社を経営しようと思って親友と共同で出資したとしよう。
その親友が自分の株式の一部をRIEの知らない他人に売ったとする。
RIEはどう思う? - RIE
- RIEの親友の知り合いに株式を売ったわけですよね?
そうだとすると、まったくの他人ではないので良いと思いますけど・・・? - 真栄里
- RIEにとっては、友達の友達は友達なんだ?
- RIE
- まあ、そんな感じですかね。
- 真栄里
- じゃ、さらにシミュレーションを続けよう。
RIEの親友の知り合いがさらにその株式を売ったとしよう。
RIEの友達の友達がその友達に株式を売ったわけだ。
RIE→親友→友達→友達
そしたらどう思う? - RIE
- それはさすがに遠いですね。
もはやRIEの友達とはいえないです。 - 真栄里
- だよな?
RIEの親友の友達の友達がもしRIEと経営に関して意見が合わないことを言ってきたらどうする? - RIE
- 経営がやりにくくなります。
- 真栄里
- そんなことは嫌だろ?
- RIE
- はい。
- 真栄里
- でも、何で嫌なんだ?
- RIE
- それは、初めに親友と会社をするときに、RIEは親友とだったら以心伝心だし、経営がやりやすいと思ったのに、それが邪魔されるからですよ。
- 真栄里
- そうだよな。
そういった事態にならないように株式に譲渡制限を付けるのさ。
RIEが認めた人に株式を売るなら良いですよ、という譲渡制限を付ければさっきいった事態は生じないんだ。 - RIE
- へぇ~、なるほど!
あっ、でもそもそも株式を誰にも譲渡できないとすればいいんじゃないですか? - 真栄里
- それは無理だ。
株主は株式会社に現金を出資するわけだが、その出資金の回収手段の1つが株式の譲渡だからだ。 - RIE
- (小声で)先生、相談者が困ってます。
- 真栄里
- あぁ、すまん。
具体例を出そう。
たとえば、RIEが100万円を出資しました。
しかし、ただちに100万円が必要な事態が生じたとします。
RIEのことだからしょうもないことだろうけど・・・
とにかく出資した100万円を回収したい。
そういう状況になった場合、RIEはその株式を100万円で他人に譲渡すればいいわけだ。
それで、出資金の100万円は回収したことになる。 - 相談者
- そうなりますね。
- 真栄里
- 出資金の回収手段確保のためにも株式譲渡の自由を否定することは出来ないんだ。
- RIE
- でもでも先生、株式譲渡を認めなくても会社が持っているお金からその株式を買い取れば良いんじゃないですか?
そうしたら、RIEが知らない人に株式が譲渡されるという事態は生じませんし、株式譲渡の自由も否定しないで済むから良いことずくめだと思うんですけど?
もしかして、名案じゃないですか!? - 真栄里
- 残念!
というか、大学で会社法習わなかったのか? - RIE
- え~と、習ったような習わなかったような・・・
- 真栄里
- 株式会社の基本的な原則の1つに、『株主有限責任』というものがある。
これは前にも言ったことだが。
この『間接有限責任』の下では・・・
---次話へ続く---
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