業界崩壊<行政書士ってナニ? 2017/JTF翻訳祭編>5
- 真栄里
 - 俺にとってはRIEの思考がブラックボックスだ!
 - RIE
 - ま、未知の部分があるから“好き”ということですね?
 - 真栄里
 - 全然違う!
ともかく、機械翻訳は間違いに予測可能性がないのが問題だ。
となると、チェック作業(ポストエディットというが)がとても負担になる。 - RIE
 - それはしょうがないでしょ?
人間翻訳の場合でもその質次第ではチェックの負担が変わってくるでしょう? - 真栄里
 - 人間翻訳の質によりチェック作業の負担が変わってくるというのはそのとおりだが、さっきも言ったように、機械翻訳がどう誤訳するかは予測がつかない。
しかも、機械側にデータがなければ何文も丸ごと訳抜けをすることだってある。
怖いったらありゃしない。 - RIE
 - 一から翻訳するよりは、いくら出来が悪くても、できている訳文を修正していく方がどう考えても楽ではないです?
だって、ご飯の支度だって、食材を切る作業からするよりは、既に食材が切られていて後は炒めるだけ、煮るだけ、というのが楽ですから。 - 真栄里
 - それはそうだ。
だけど、ここで言っているのは、一応味付けも終わって食べられる状態になった場面の話だ。
お客様に料理、ここでは煮物にしておこう、を出す直前の最終チェックで味見をするという場面だ。
たとえば、俺が調理してRIEがその味を最終チェックするという場面を想定してみ? - RIE
 - まぁ、RIEはシェフですからね!
 - 真栄里
 - 俺の味付けに塩気が足りないと感じたらどうする?
 - RIE
 - 塩を足します。
 - 真栄里
 - 出汁が足りないと感じたら?
 - RIE
 - 仕上げ段階で出汁が足りなかったらもう調整できませんけど?
 - 真栄里
 - だろ?
手遅れなんだよ。
そんな調理されるよりは、初めから自分で調理した方が良くないか? - RIE
 - それはそうです。
 - 真栄里
 - 翻訳だって同じなんだ。
チェック段階で調整することができる訳文を翻訳者に作ってもらわないとチェック段階の負担がとても大きくなるんだよ。
さっきの料理で考えると、RIEだったら俺が作った料理どうする? - RIE
 - RIEが初めから作り直します!
 - 真栄里
 - だよな。
翻訳でも同じなんだ。
チェックで修正することができない訳文があがってくると、チェッカーは、rewrite、要するに書き直し、するはめになるんだ。 - RIE
 - それは大変そう…
 - 真栄里
 - そう、大変。
とうていチェック料金ではやってられない。 - RIE
 - チェック料金って安いんですか?
 - 真栄里
 - それは翻訳料金よりは安い。
そもそも翻訳料金すら安いんだから、それよりも安いチェック料金でrewriteまでさせられたら翻訳者、ここではチェッカーだが、は生活できない。 - RIE
 - 最終的にはそういうことなんですね。
ヒドい会社だと、チェック料金でリライトまで要求すると…。
翻訳業界崩壊ですね。 - 真栄里
 - そう。
翻訳って、英日の場合だと横文字を縦文字にするだけ、日英の場合だと縦文字を横文字にするだけ、と思われている節がある。
単語の意味さえ分かれば翻訳できるでしょ?的な。 - RIE
 - RIEでもそうは思いませんけどね。
 - 真栄里
 - 思ってたら事務所から追い出すよ!
翻訳というのは、異文化の言語を自国語に変換する作業なんだが、単なる語の置き換えだけでは済まない創造的な作業なんだ。 - RIE
 - RIEも先生の思考をRIEにも分かるようにいつも翻訳しています!
 - 真栄里
 - それでも俺の言うことが通じていないということは、RIEの翻訳機能はダメダメだということだな。
 - RIE
 - ちょっ…。
自分の言い方が悪いとか思わないんですか?
翻訳で言うと、原文が悪い、ということですよ。 
---次話へ続く---
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