でも、結婚って「愛」ですよね? 「愛」を契約で取り決めるんですか?<行政書士ってナニ? 婚前契約書編 1>
- RIE
- 先生、あと1ヶ月後に私の先輩が結婚するそうです。
- 真栄里
- 今度は結婚・・・
何歳? - RIE
- 24歳です。
- 真栄里
- 若いねぇ。
先輩って大学時代のか? - RIE
- はい、大学時代の部活の先輩です。
- 真栄里
- 早いね。
- RIE
- 先輩、内地の大学院も卒業した才媛なんですよ。
結婚相手も同じ大学院の先輩です。
で、結婚するに当たって、これから結婚生活をする上での約束事を書面にしたいと考えているようです。 - 真栄里
- それは良いことだ。
結婚も1つの契約だからな。行政書士の私に作成を依頼してくれるよう頼んでみて。 - RIE
- 頼んではみますけど。
でも、結婚って「愛」ですよね?
「愛」を契約で取り決めるんですか?
そんな契約をする意味がわかりません。 - 真栄里
- それが、一般的な反応だろうな。
「愛」のない結婚は辛いかもしれん。
「愛」があることは結婚の必要条件には違いない。 - RIE
- “必要条件”ですか?
- 真栄里
- それがないと成り立たないという意味だよ。
- RIE
- それはそうですよ。普通は。
- 真栄里
- 問題は、結婚生活を上手く営むには「愛」にプラスαが必要じゃないかなぁ?
- RIE
- 結婚したこともないのに分かるんですか?
- 真栄里
- ・・・年の功?
それはさておき、ひとまずRIEの先輩が考えている書面は「婚前契約書」と言われているものだ。
“Prenuptial Agreement”(プレナップ)と言われているな。 - RIE
- 英語は分かりません。私日本人ですから。
- 真栄里
- そもそも、婚前契約書って欧米で行われているから、もともとは英語なんだよ。
- RIE
- な~んだ、そうなんですね。
しかし、アメリカとかは結婚まで契約と割り切っているんですか? - 真栄里
- 欧米は“契約社会”だからね。
そもそも、欧米の基礎には、一神教を前提とした“神との約束”の観念があるから、結婚も契約だという考えが根付いているんだよ。
八百万の神がいるとされている日本では、伝統的に“神との約束”の観念は弱いからなじみにくいかもしれないが・・・。 - RIE
- そうですね。結婚を契約とは考えたことはないです。
- 真栄里
- ともかく、
(1)結婚は契約だ。ならば、
(2)結婚生活の条件を書面化しよう。
こういう流れが出てくるのは十分に理解することが出来るんじゃないか? - RIE
- 「婚前契約書」を結んでいるカップルって本当にいるんですか?信じられませんけど・・・。
- 真栄里
- たとえば、アメリカでいうと・・・。
「ミッション:インポッシブル」という映画を知っているか? - RIE
- 知ってますよ。
トム・クルーズが主人公の映画ですよね。
不可能と思われる事件を解決していく映画ですよね。 - 真栄里
- そうだ。もともとはアメリカのドラマで「スパイ大作戦」という題名で日本でも放送していたんだ。昔テレビでよく見たなぁ。
個人的には映画よりもドラマの方が楽しかったな。
ボスを中心とした見事な組織プレーに胸をおどらされたものだよ。
指令は「おはようフェルブス君」から始まって、指令が終わると、「このテープは自動的に消滅する」とかいってさ・・・ - RIE
- あの、「スパイ大作戦」なんて知りません。
「スパイ大作戦」と婚前契約書との間に何か関係があるんですか? - 真栄里
- あ、いやごめん、「スパイ大作戦」は脱線だった。
トム・クルーズは関係ある。
トム・クルーズは最近離婚したんだが知ってるか? - RIE
- そうですね。何かのニュースで聞きましたよ。
- 真栄里
- 彼女と結婚前に実はトムは彼女と「婚前契約書」を結んでいるんだ。
- RIE
- そうなんですか?
どんな内容です? - 真栄里
- それはだな・・・、え~とちょっと待ってよ。
---次話へ続く---
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