わがままな遺言<行政書士ってナニ?(NEW) 改正相続法編>12
「相続させる」旨の遺言は、RIEが言うようにわがままなのか、それとも遺言者の最終意思を実現するための良い手段なのか?
具体的には次のように判示している。
特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言があった場合には、当該遺言において相続による承継を当該相続人の意思表示にかからせたなどの特段の事情のない限り、何らの行為を要せずして、当該遺産は、被相続人の死亡の時に直ちに相続により承継される(最判平成3年4月19日)。
相続という法定の制度に基づく所有権の移転だから登記は不要だ、という論理を最高裁は採用したんだ。
前にあげた最判平成14年6月10日もその旨の判示をしている。
「相続させる」趣旨の遺言による権利の移転は、法定相続分または指定相続分の相続の場合と本質において異なるところはない。したがって、「相続させる」趣旨の遺言によって不動産を取得した相続人は、その権利を登記なくして第三者に対抗できる。
そういえば、法定相続分については登記なくして第三者に対抗できるんですよね。
それって、法定相続分はその名の通り、相続分が民法で定められている(法定されている)から第三者は民法を見さえすればその相続分を知ることができる。
つまり、民法の法定相続分の規定(900条)が公示機能を果たしているという理解ですね?
でも、その判例を今回の民法改正で否定したというわけですね。
RIEは改正民法に賛成です。
同じ遺言であるのに、登記を必要とする遺贈との不公平感というのもあったしな。
RIEも俺に説得されたな(笑)
初めは判例を否定した改正民法に文句を言っていたのに。
先生に説得されたわけじゃないですから!
そんなことよりも、どうするんですか?
「相続させる」趣旨の遺言をしたら安泰です、というアドバイスが899条の2の新設により無意味となったんですから。
一つ目は、死因贈与契約
二つ目は、家族信託
だ。
---次話へ続く---
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