倒産した会社で役員だった人を経管として引っ張ってきたら良いんですよ!<行政書士ってナニ?経管に“準ずる”地位編 3>【真栄里孝也 行政書士事務所】in沖縄
- RIE
- 自分からそんな難しい申請をする必要はないとRIEは思うんですけど・・・
- 真栄里
- そんなことはRIEに言われなくったって俺も考えるさ。
でも今回の依頼は①∩④(b)のパターンで申請するしかないんだよ。 - RIE
- え~~、なんでですか?
他から
②(5年以上の役員経験者)や
③(他業種で7年以上の役員経験者)
を充たす人を探してくればいいじゃないですか? - 真栄里
- そこが問題だからだよ!
- RIE
- え?
どこがですか? - 真栄里
- ②(5年以上の役員経験者)や③(他業種で7年以上の役員経験者)を充たす人を他から探してくるというのが難しい、ということだよ!
- RIE
- え~~?
②や③を充たす人はいっぱいいるでしょう。
沖縄には建設会社がたくさんあるわけですから。 - 真栄里
- そうだな、
県内の建設業許可業者数は平成24年度で4,665業者あるらしい(沖縄県建設産業ビジョン 2013の4頁)し、全産業の就業者数に占める建設業の割合は全国的に減少傾向にあるにもかかわらず、沖縄県では全産業の就業者数に占める建設業の割合は1割以上と高い水準にある、とのことだ(沖縄県建設産業ビジョン 2013の17頁)。
だが、経管は通常1つの会社に1人だろう。何人でも良いのだが・・・。
しかも常勤であるから兼業はダメだ。
なので、他の会社から経管経験者を引っ張ってくる、というのは難しい。 - RIE
- たしかに。
う~ん、でも沖縄は建設会社が多いだけではなく、倒産する会社も多いですよね? - 真栄里
- それはそうだけどな。
「全産業の倒産件数に占める建設業の割合は、平成24年度でも46.3%と依然高い状況にあり、建設業の割合の高さが際立っている」(沖縄県建設産業ビジョン 2013の22頁)とのことだからな。 - RIE
- だから、その倒産した会社で役員だった人を経管として引っ張ってきたら良いんですよ!
RIE冴えてますね。 - 真栄里
- 自分で言うな!
でも考えてみろ!
1つの会社を倒産させた人を、いくら経管経験者だからといって、自分の会社の経管に迎えようと思うか? - RIE
- 他に現役の経管を他の会社から引っ張ってこれないんだったらしょうがないじゃないですか?
- 真栄里
- ま、経管がいなければ建設業の許可は得られないし、許可後も経管が死亡したりしたら新しい経管を立てないと許可を取り消されるから背に腹は変えられない、というのはあるな。
そういう会社もあるだろう。
でも、会社といっても沖縄県内の会社は親族で経営しているような中小・零細企業が多いのも特徴だ。
平成23年の調査では、資本金が1,000万円から5,000万円のクラスが41%を占めてはいるが、
従業者人数で見てみると平成21年の調査では
1~4名が40%
5~9名が33%
で、従業員人数では1~9名以内が全体の73%も占めているんだ(沖縄県建設産業ビジョン 2013の21頁)。
だいたい従業員人数が10より少ない企業を零細企業と呼ぶようだから、沖縄県内の建設業者の7割は零細企業ということになる。
零細企業は通常、親族経営だから他人が会社の重要な地位に就くことを嫌がるんだよ。 - RIE
- 何でですか~?
- 真栄里
- “何で”って、
そこ疑問持つかなぁ?
---次話へ続く---
【真栄里孝也 行政書士事務所】のホームページです。