別のストーリー<行政書士ってナニ? 居酒屋編>7
- 真栄里
- アホか、牛乳で酔っ払う人がいるか!
- RIE
- 予断を持った捜査を肯定するからです、先生が!
おかしいでしょ? - 真栄里
- 予断という言い方は少々語弊があるな。
俺が言いたいのは、捜査をするには、仮説を立てないとだめだ、ということだよ。 - RIE
- 仮説と言ったって、言っている内容に大差はないでしょう?
要は、警察が、あるストーリーを描いして捜査をするというわけなんですから。 - 真栄里
- だから、ストーリーを描かないと捜査はできんだろ?
たとえば、次の事実を考えてみよう。
1 窓ガラスが割れている。
2 家の中のタンスや棚の引き出しが開けられている。
3 中身がそこらへんに散らばっている。
4 家の中で人が血を流して倒れている。 - RIE
- 強盗事件じゃないですか!
- 真栄里
- それは、RIEが予断を既に持っているから事件だと判断するんだよ。
事実だけからは何の因果関係も導かれないよ。
RIEは、上の4つの事実に、次の因果関係を想定したから強盗事件と判断したはずだ。
強盗犯が家の窓ガラスを割って中に入り、物色をしていたところ、家人が帰ってきたので殴って気絶させて金銭を奪った。 - RIE
- そうなるでしょ?
- 真栄里
- だったら事実だけから判断をしていないということだ。予断を持ち込んでいるはずだ。
- RIE
- だって、そうなるでしょ?
- 真栄里
- 別のストーリーだってある。
たとえば、
家人が酔っ払って帰ってきたがカギがなかったので窓ガラスを壊して家に入り、その際に出血し、風呂に入ろうとして洋服やタオルを探すためにタンスや棚の引き出しを開け、中身を出したが、睡魔に勝てずそのまま寝てしまった。 - RIE
- なにそれ?
余計にありえないんじゃないです? - 真栄里
- それがありえないと考えるのは、RIEの予断だろ?
ということは、RIEも予断を持って判断していることになる。
というか、予断を持たずして人間は何の判断もすることはできないはずだ。 - RIE
- う〜ん…
- 真栄里
- であれば、予断を持った捜査をする警察をそうそう批判することは難しい。
事実と事実を結びつけるストーリーを描く必要を否定することはできない。 - RIE
- でも、その予断に基づく捜査が原因で冤罪が発生しているという事実もあります。
- 真栄里
- たしかにな。
- RIE
- 先生だって、自分が飲んだくせに、牛乳を飲んだな、ってRIEに文句言ってました。
- 真栄里
- …
まぁ、誰にでも間違いはある。 - RIE
- 開き直らないでください。
先生は単なる私人ですからごめんですみますけど、警察は強制力を持った権力ですよ、予断に基づく捜査が原因で無実の罪を着せられる人にとってはごめんなさいではすまないでしょう? - 真栄里
- 今日はいつにも増してお怒りですな。
- RIE
- 当然です!
先生も逮捕されそうになればいいんですよ!
---次話へ続く---
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