リーガル翻訳で原文の論理を…<リーガル翻訳>論理構造
リーガル翻訳
については、こちらもご覧いただければと思います。
上辺の日本語<行政書士ってナニ? 遺産分割協議書翻訳編>全不動産を”取得する”
契約書の日本語の訳って読みにくいですよ。
これでいいんですか?
首肯できないわけではない…
とかまどろっこしい言い回ししたりしますし…。
肯定できるんですか?
肯定できないんですか?
肯定できない、ということを否定しているだけだ。
肯定できないの否定≠肯定
だな。
肯定も否定もできないという言い方もあるだろ?
肯定と否定の他にも、どちらでもない、という分類もあるわけだ。
肯定できないなら否定でいいんですよ!
正確に考えんと。
リーガルの翻訳ならなおさらそうだ。
たとえば、
1. RIEは賢い
2. RIEは賢くないわけではない。
は同じ意味か?
意味は同じじゃないだろ?
1では、RIEが賢いと言えるだけの材料があって「RIEは賢い」と言っているはずだが、
2では、RIEが賢いといえるだけの材料はないから「RIEは賢い」とまでは言えないが、「RIEが賢くない」ということを否定できる材料はあるわけだ。
状況が全然違うだろ?
でも、2みたいな言い方する人は賢くない!
リーガル翻訳では、原文の論理をそっくりそのまま訳文に反映させないといけないわけって話。
たとえば、
13歳未満の者は本サービスを受けられません。
と原文(英語だとして)がある場合に、これを
13歳以上の者は本サービスを受けられます。
と翻訳することはダメだな。
原文の論理構造を壊していて誤訳だからな。
同じ意味でしょ?
たとえば、
人ならば死ぬ。
という文(命題)がある。
「逆」は、
死ぬならば人。
だ。これは正しいか?
人だったら死ぬわけですから。
死ぬ存在には、人以外にも犬・猫・馬・鯨・牛などたくさんいるんだから。
人でないならば死なない。
は正しいか?
人でなくても犬は死にますし。
だから、「逆」も「裏」も真ならずだ。
13歳以上の者は本サービスを受けられます。(訳文)
は、
13歳未満の者は本サービスを受けられません。(原文)
の「裏」だ。
なので、間違いだな。
13歳未満が対象者じゃないからといって、当然に13歳以上が対象者であるとはいえない。
13歳以上であっても対象者になるには他の要件が必要かもしれんしな。
ただ、ここまで言ってなんだが、二者択一の論理関係の場合は、「逆」も真になる。
たとえば、生死はそうだろうな。
「生きている」なら「死んでいない」。「死んでいない」なら「生きている」。
生⇨❌死
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❌死⇨生
生か死かがわからないって。
人間の認識を考慮すると、生・死・不明となるな、たしかに。
人間の認識を考慮しなければ、生死不明の場合(例えば行方不明)であっても、生か死を人間が認識していないだけで、客観的には生か死かどちらかだ。
なので、人間の認識を前提とした「生死」の話をしているのか、人間の認識は関係なく客観的な「生死」の話をしているかでも論理は変わってくる。
ややこしい。
だからよほど、論理関係の判断に自信がない限り、原文の論理を変えることはしないほうがいい。
してはいけない、を原則にしておくべきだな。
ってか、いちいち気にしてたら毎日がストレスでしょ。
もしやRIEの一言一言がいちいち気になってたりして??
---次話へ続く---
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沖縄在住の特定行政書士、真栄里です。
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