仕事の相談もあります＜行政書士ってナニ？　クリスマス編＞

真栄里: あっ、そうだ、RIE
ペアディナー券をもらったんだ。
あげるよ。
誰かと行ってきたらいいさぁ。
RIE: えっ？
本当ですか？
どこのディナー券ですか？
真栄里: たしか、ナハテラスだったはず。
RIE: へぇ～、凄いところじゃないですか！
ありがたくいただきます。
ん？
もしやボーナスの現物支給じゃないですよね？
真栄里: んなわけないだろ？
RIE: ありがとうございます。
いつまで使えますか？
真栄里: 12月25日まで。
RIE: え？
今日じゃないですか！
なんでもっと早く言ってくれないんですかぁ…。
真栄里: 誰かにあげてもいいし、売ってきてもいいよ。
RIE: それはもったいないです。
ちゃんと使います。
一緒に行ける人、ちょっと探してきます。
真栄里: あっ、おい、今仕事時間
RIE: 電話だけですから5分で終わります。
RIE: 先生、今日の午後7時から時間ありますか？
真栄里: …
いや、忙しい。
RIE: 翻訳の案件入ってました？
真栄里: これから入るはず。
RIE: まだ入ってませんよね？
真栄里: だから、これから入るかも…。
RIE: ですから、今のところはまだ入っていませんよね？
真栄里: …
でも、時間ない。
RIE: お忙しいところ申し訳ないですけど、ちょっと仕事上の悩みがあるので午後7時から付き合ってもらえませんか？
RIEがディナーをおごりますので。
真栄里: おい！
それって俺がいまRIEにあげたチケットだろうが。
おごるも何も、それだと俺がおごったことになるだろ？
RIE: いえ、それは違います。
先生は、このチケットをRIEにあげました。今はRIEがこのチケットの所有者です。
だからRIEがディナーをおごることになるんです。
真栄里: そんな法的なことなんか言ってないよ！
他に行く人いないのか？
RIE: いたとしても、当日に時間がある人なんて先生以外に知りません。
それに仕事の相談もあります。
真栄里: そんなの他の人とやりゃいいじゃんよ。
ついでに俺への愚痴とか文句とか言い放題だろ？
RIE: 残念でしたぁ。
RIEは文句は直接本人に言う主義なんです。
他の人に愚痴ったってなんの解決にもならないですし。
真栄里: へぇ～、それは凄いな。
少し尊敬する。
RIE: ということで今晩7時からお願いします。
6時30分に仕事切り上げてナハテラスへ向かいましょう。
真栄里: え～…
じゃ、9時までな。
RIE: まぁいいですよ、9時を目安にするということで。
RIE: 道、混んでましたけど、なんとか7時に着きましたね。
時間通りの6時30分に事務所出て良かったです。
真栄里: これだから年末年始に外に出るのは嫌なんだよ。
RIE: まぁまぁそんなこと言わずに。
カクテルでも飲みながらゆっくりしましょう。
真栄里: あ～、牛乳ありますか？
ウェイター: ホットとアイス、いずれもございます。
真栄里: お～、さすが、では、ホットでお願いします。
ウェイター: お連れ様はなにをご注文なさいますか？
RIE: 私は、「ゴッドマザー」お願いします。
ウェイター: わかりました。
しばらくお待ちください。
真栄里: ぷっ（笑）
RIEにぴったりな名前のカクテルだな。
RIE: え？
そうですか、そんなにRIEってしっかりしているように見えます？
たしかに、頼れるお姉さんタイプだってよく言われますけどね。
お褒めいただきありがとうございます。
真栄里: え～と、まぁ、それでもいいよ…。
RIE: っていうか、いい大人が「ホットミルク」ってありえないでしょう！
真栄里: いいじゃないか！
好きなんだから。
RIE: え？
RIEを？
真栄里: 牛乳が、好きなんだから。
なんなら利き牛乳でもしようか？
RIE: いえ、それは是非遠慮してください。
ところで、フレンチのフルコースのようですね、このチケット。
すっごく高かったと思いますよ。
真栄里: 数万円したよ。
RIE: ん？
先生が買った？
真栄里: い、いや違う。
そう聞いた、ということ…。
RIE: ホントですかぁ？
真栄里: …
さ、さてと、今年もやがて終わるわけだから、忘年会も兼ねた打ち上げということで。
RIE: いえいえいえ、事務所の忘年会は大晦日に予定を入れていますよ。
真栄里: はい？
初めて聞いたんだが？
RIE: あ～、すいません。
今はじめて言いました。
ちなみに場所は外出が嫌な先生も納得の場所です。
なんと・・・
先生の家です。
先生の家であれば、万が一翻訳の仕事が入っても仕事しながら忘年会できます。
紅白歌合戦でも見ながら沖縄そばでも食べながらゆっくりできます。
で、年が明けたら初詣、その前に初日の出見に行けると良いですね。
真栄里: 元日に初詣になんか行けるわけないだろ？
それに初日の出も行かん。
体がもたんよ。
RIE: じゃあ、しょうがない。
先生の家で紅白歌合戦を見ながら、お笑いを見ながら、年越し沖縄そばを食べながら、忘年会と新年会をするということで確定と。
真栄里: …
まぁ、それくらいなら。
RIE: 良かったぁ！
これで仕事の相談は終わりました。
真栄里: はぁ？
全然仕事の話じゃないじゃん。
RIE: 今日は何日ですか？
12月25日ですよ。
クリスマス。
恋人たちの夜。
仕事の話してどうするんです？
真栄里: それは恋人同士ならそれでいいが…
RIE: 先生とRIEは同じようなものです。
だから問題ありません。
真栄里: …
そうだ。
俺は仕事の話があるんだった。
RIE: いえ、無理して仕事の話をしないでもいいんですけど？
真栄里: 会社で登録翻訳者の募集をしていたろ？
RIE: …はい。
真栄里: いい人材が集まったんだよ。
RIE: RIE以外にも？
真栄里: え～と、英語に関してはRIE以外なら誰でも優秀なんだけど？
RIE: 失礼な！
真栄里: 元アメリカの弁護士だった方がいるんだ。
RIE: えっ？
凄い！
日本人ですか？
真栄里: そう。
日本人でアメリカの弁護士資格を取って、アメリカで独立して弁護士事務所まで経営していた方なんだ。
RIE: すっごーい！
先生なんか目じゃないくらい凄い！
真栄里: で、今後は会社で受けたリーガル案件の翻訳とかチェックとかをその方にお願いすることが多くなるから、RIEが連絡担当ということでよろしく頼むよ！
RIE: 分かりました。
お安い御用です。
ちなみに、日本語で良いんですよね？
真栄里: もちろん。
RIEに英語で文章を書け、という無理なことは頼まないし。
RIE: それは良かったです。
しかし、いい感じですね、会社も。
もしかしてRIEが先生の所にお世話になってから先生も事務所も調子がいいんじゃないですか？
真栄里: そう…かもな。
RIE: もしかして、RIEは幸運の女神？
真栄里: かもしれんな。
RIE: えっ？
なんか、今日は先生が素直な気がしますけど、どうしたんですか？
熱あります？
どれどれ
真栄里: お、おい、近づくな！
セクハラだろ？
RIE: 大丈夫です、RIEが近づいているんですから。
真栄里: いやいや、RIEが俺へセクハラ！
RIE: あらあらあら？
何か変なこと言ってますけど？
そこも素直になればいいじゃないですか！
せっかくの今までのいい流れが台無し！！
ほんっと空気読めないですねぇ、先生は。
ウェイター: お飲み物をお持ちいたしました。
真栄里: ありがとう。
RIE: ありがとうございます。
ウェイター: 失礼いたします。
RIE: さて、じゃ先生とRIEの今後の夫婦としての明るい未来に、カンパーイ！
真栄里: おう、乾杯！
えっ？
夫婦？
RIE: 声が小さいですよ？
大きい声で、
カンパーイ
今年もありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
真栄里: だ、誰に何の挨拶？

－－－来年へ続く－－－

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