経費で落ちませんよ＜行政書士ってナニ？ ジュンク堂編＞1
今日休みですよ？
ずっと秘密基地にこもるんですか？
ってか、いつ入ってきたんだ？
俺は戸締りはちゃんとする。
なにせ合鍵があるんで。
今日は休みましょうよ。
そうだな。今日は外出するか。
RIEが運転します。
どこ行きますか？
瀬長島ウミカジテラス？
そんな知らないところには行かない。
要はホットケーキだろ？
家で作ればいいじゃん。
俺が車は運転するから。
嫌なら俺一人で行くし。
そうじゃないと先生迷子になりますもん（笑）
先週も行ったでしょ？
もう買う本なんてないでしょう？
書籍代が100万円超えるって聞いたことありません。
何をどう買えばそうなるんですか？
あ、英Law本（えろほん）と哲学本でしたね。
カントとウィトゲンシュタイン、それからクリプキ、フレーゲ…
カタカナばっかり。
can’t?
アインシュタイン？
フランケンシュタイン？
クリオネ？
日本語を話してください！
ってか、その本が何か先生の仕事の役に立つんですか？
そんなの面白くないだろうが。
いろいろな世界を知りたいから本を読むんであって。
まぁ、でも、ウィトゲンシュタインとかクリプキとかは分析哲学という分野で有名で法律にも言語学にも役に立つぞ。ちょい遠回りだけど。
それに哲学は意味不明だからそもそも読みませんし。
その後で、原典、もちろん訳本を読めばより分かるようになるはず。
何をどういったのかはまったくわかりませんけど。
それまでの哲学を根本から変えたんだからな。
簡単に言えば、理性の限界を明らかにして、人間は世界自体（物自体）は決して認識することはできないとしたんだ。
これまでの哲学は、人間はどうすれば客観世界（物自体）を正しく認識することができるかを巡って争ってきたんだが、その争い自体が不毛の争いだったとカントは主張したんだ。
人間は、主観を離れて客観世界そのものを認識することはできない。人間の認識はどこまでも主観的なものだと言った。
これがどれだけの衝撃だったか…
というか、さっきから秘密基地で話してるだけですよ？
そろそろジュンク堂に向かった方がいいんじゃないですか？
それとも、瀬長島ウミカジテラスに行きますか？
－－－次話へ続く－－－
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