箱の中に何を詰めるかが重要<行政書士ってナニ? JTF翻訳祭編>16
- 真栄里
- そう。
特許法を大学院で勉強したのに特許翻訳をすることはできない。
なぜなら、 - 真栄里
- 特許の技術範囲を記載するには理系の知識が必要とされるから。
- RIE
- そうなんですか?
- 真栄里
- 特許権の対象は“発明”で、その発明は理系の知識と密接にかかわることが多いからだ。
たとえば、電話は、人間の音声を電気信号に変換して、相手の受信機に送信し、その電気信号をまた音声に変換するという仕組みになっているらしい。 - RIE
- ふ~ン。
ベルさんですね。 - 真栄里
- そう。
どうやって音声を電気信号に変換するのか、俺には不明。
おそらく、電気の仕組みやら電磁石の性質やらといった理系の知識が必要になる。
その知識が俺には乏しい。
そうすると適切な訳をすることができなくなる。 - RIE
- そこは勉強しながら…
せっかく知財法勉強したんですから。 - 真栄里
- 法律というのは、基本的には仕組みの話で、いわば箱なんだよ。
その箱の中に何を詰めるかが重要なんだ。
特許では、箱の中に詰める内容が特許請求の範囲(クレーム)で、理系の知識がないとほぼ無理…。 - RIE
- じゃ、文系には特許翻訳は難しいということですか?
- 真栄里
- 事実上難しい。
もちろん、理系じゃないとできないということはないが、かなり勉強しないと特許翻訳は難しいだろう。
理系が好きな文系出身の人もいるとは思うが。 - RIE
- へぇ~。
結局、翻訳といっても母語に関する専門知識が要求されるんですね。 - 真栄里
- そう。
英語能力があるのは当然で、あとは、母語での専門知識がどれくらいあるのか?の勝負になってくるんだ。 - RIE
- そういう文脈からすると、先生がリーガルに特化しているのはわかります。
でも法律と言っても様々な分野がありますよね?
私法・公法の別から始まり、私法の中でも民法、商法、会社法、民訴法…
無数にあります。
全部対象なんですか? - 真栄里
- もちろん。
専門で勉強したから。
それにどこを調べればいいのかわかるから大丈夫! - RIE
- 分からないところがあってはまずいのでは?
プロなんですから。 - 真栄里
- それは違うな!
全く違う!! - RIE
- えっ、そう?
---次話へ続く---
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