権利はどうやって行使するんだ?<理解と背景知識>mayと権利行使
mayと権利行使
理解
あるとすれば、理解することだな。
理解していれば試験に受かる。
問題はどうすれば理解することができるか?ってことであって。
それはなんですか??
背景知識
連帯債務ってあるだろ?
連帯債務という制度がなぜ必要とされたか?
ということから押さえるのが連帯債務理解のコツだ。
だがなんでだ?
何に比べて連帯債務が債権者に有利なんだ?
お任せします!
丸投げか。
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憲法が採用する個人主義からは、債務の負担についても個人個人が負担するという分割債務が原則となるのは大丈夫か?
聞いたことあるかもです!
まぁいいや。
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ともかく、連帯債務を理解するための出発点が分割債務だ。
たとえば、債権者甲が共同で事業を営もうとするA,B,Cにそれぞれ100万円を貸すとする。
民法の原則では分割債務になる。
Aが100万円を返せない場合、どうなる?
だとすると、Aの債務についてBCが負担することはないわけですから、甲はAに貸した100万円を回収することができないことになるかと。
つまり、回収不能となるリスクを債権者甲が負担することになるわけだ。
債権者としてはもっとも避けたい事態だよな。
最悪です。
債権者甲は、共同の事業を営もうとしているABCに対して連帯債務として300万円を貸し付ける。
そうすると、連帯債務者ABCは、各自が自己の負担部分(通常は平等だろうから100万円ずつ)を超えた全額について甲に返済する義務を負うんだ。
つまり、Aが無資力になってもBCがAの負担部分についても甲に返済しないといけなくなる。
ということは、債務者Aの無資力のリスクは債権者甲ではなく、債務者側 (ABC) に負わされていることになるわけだ。
連帯債務という制度によって、債務者の無資力のリスクを債務者側に負担させるわけなんですね。
連帯債務を分割債務と関連付けてその存在理由から流れを押さえていくことが理解のコツだ。
わかりやすいだろ?
mayと権利行使
だが、法務翻訳では[can]ではなくて[may]なんだよ。
なんか変です。
mayと権利行使の関係だな。
意味わかりません。
ところで、権利はどうやって行使するんだ?
ほら、契約書にも書いてあるでしょ、って言って。
ではなくて(笑)
裁判所に訴えるしかないですね。
当事者間で、権利の存否について争いがある以上、そして、自力救済が原則として禁じられている以上、権利の存否については裁判所で判断してもらうしかないわけだ。
そこが権利として「〜することができる」を翻訳する際に[may]を用いる理由なんだ。
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権利行使の許可を裁判所からもらう=裁判所が当事者の権利行使を許可する
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という法的な仕組みになっているから、権利として「〜することができる」を翻訳する際には「許可」を意味する[may]を用いるんだ。
なるほどぉ!
「権利」は、裁判所からの許可をもらってから行使するから「許可」を意味する[may]を用いるんだ〜。
なんか賢くなった気がします。
とはいえ、RIEに法務翻訳は関係ないですけどねぇ(笑)
制度をぶつ切りで覚えても効率が悪いということだな。
権利として「〜することができる」を翻訳する際に「許可」を意味する[may]を用いるのも、その背景には「権利」の法的仕組みがあるわけだ。
面白いだろ??
良かったですね。RIEが理解ある妻で!
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---mayと権利行使・終---
前回の
骨太な理解を!<行政書士ってナニ? 資格講座編>行政書士講座-代理
もご一読いただけると幸いです。
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沖縄在住の特定行政書士、真栄里です。
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